詩集「かもめ」




回 想

    いつかも そんな日があった
    暖かい晴朗とした日には
    きっと虹の下の町には
    絶え間なく 花が咲き
    小鳥が鳴くのだと
    そんな幼い夢を持って
    協会の白い廃墟に腰を下ろしていた
    青い海には春の風がよく似合う
    共に 青春の日々には
    漲る愛がつきもの
    灯台での風は
    大胆な航海のように
    私を揺さぶってみたけれど
    冒険は疲れそうで
    ただ 眺めていた
                             友達はよく歌っていた
                             私はそれと口ずさみは
                             しなかったけれど
                             和やかなメロディーは 何故か今も
                             新鮮さを保ったまま
                             満ち足りた気持ちにしてくれる
                             一人になって 唇は動き出す
                             いつか
                             友達は 皆 何処かへ流れていった
                             何故か 今も
                             過去と未来の
                             時の魔法に左右され
                             いつの間にか 青春のひとつ上で
                             私には少しも変わらぬ
                             孤独と静寂の中で
                             本当には わからない
                             幸せという響きだけを求め
                             憧れ 生きている


                                       1975年2月9日  







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