詩集「かもめ」




破 裂

    殺してやった
    俺はあいつが憎かった
    港町で 俺は・・
    あいつの心臓にぶち抜いた
    波の煌めきの中で
    かもめの悲しい瞳に映った


                               あいつは 深紅の
                               綺麗な
                               血を噴いた

                               あいつは・・
                               あいつは・・
                               恨まない

    俺は鋭器を・・
    真っ赤な刃物を 砂に落とした
    あいつは淋しい男になった
    浜の上に躰は残る
    波は優しい
    俺は立っていた
    あいつの躰を波が運んだ
    友情も波に流れた
    俺はあいつが好きだった
    俺は淋しい男になった
    海は真っ赤に染まっていった


                                       1974年12月21日  







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