社会を語ろう。


チリ大地震が齎した余波(発生日 2010/02/27)

●2010年2月27日15時34分頃(日本時間27日午後3時34分)、今度はチリで大地震が発生した。どうやら地球は活動期に入ってきたようだ。とても最近は巨大なのが多いような気がする。
チリ中部沿岸(南緯36.1度、西経72.6度)、震源は深さ約60km。最大の被害地はチリ第二の都市コンセプシオン(Concepcion)と思われる。現段階で、この地震で少なくとも700人の方が死亡、数十万人の人々が被災したと報告されてる。

基本的にこのコンテンツで天災そのものの惨事を取り上げることは避けている。だからハイチ地震では30万人とも言われる方が亡くなっているが出ているが、触れることは止めておこう。天災は人智では予測も付かず、計り知れない。ただただ自然の脅威に畏怖するしかないと思っている。人間が自然に対して敬虔になるひとつの機会なのかも知れない。取り上げる際はそこに人がどう対応するかのことに着視してみたい。

今回は、日本でメディアが流した津波情報について触れてみたい。但し、科学的見地からではないので、あくまで個人的な偏った見解かも知れないことを前置きしておきたい。

今回は震源の関係から大津波が来るという報道が先行した。考えてみたら、ハイチの時に津波警報はあったのだろうか?。ハイチ地震は首都のポルトープランスという、二百万人以上の人が住んでいる大都市のすぐ近くでおきた。また、経済的に恵まれていないハイチが大地震の経験するのは250年前に遡り、建物の柱や壁が弱かったのも災いし、倒壊する家屋が続出、逃げられず亡くなった方が相当数に及んだと推測されている。
しかし、ハイチは日本からすると、地図上では太平洋を挟んで遥か東側、北米大陸と南米大陸の繋ぎ目の外側のカリブ海側にあるので、波がパナマを乗り越えてくることはまずない。そしてハイチ地震は震源の深さがたった13キロという直下型で、余波が拡散しない集中型だった。日本でも小規模の津波が観測されたが、特に被害はなかったと後から報告されている。ネットで調べた限りでは警報は出されていなかったようだ。

チリでは1960年にマグニチュード9.5の大地震が発生しており、1900年に観測が始まって以来、世界最大の地震を記録している。元々チリは有数の地震国で、チリ自体が太平洋側に位置している。今回の地震は比較的震源が深く、人口密集地が震源から離れていたため、人的被害はハイチより少なかった。しかしエネルギーにすると、ハイチ地震の500倍らしく、太平洋に広く津波を引き起こす原因となった。

その余波は当然日本にまで辿りついた。地震の波よりも大きな報道という形で。チリ地震の津波警報が他の国では解除されているのに日本では解除せず、恰も大災害が襲い来るような扱いで津波警報を流し続けた。3mを越える津波が各地に来ると言う報道は、海洋国日本では本当に信憑性を持って報道しなくてはいけない。3mという波の高さは大変なものである。 私は決して警報が無意味だと言うつもりはない。私が住んでいるところは宜野湾市でも海まで十メーターも離れていない。だから、ずっと地域の放送や巡回車の呼びかけに耳を凝らし、部屋からは出ず、二階にある部屋で、じっと津波の状況を静かに見守っていた。とてもありがたいことだと思う。また洪水警報に退去しないで死んでしまった人もいる平和ボケ日本なので、多少の誇張報道も致し方ないと思っている。

だが、今回のははっきり言って頂けない。
まず17年前に出された大津波情報の時と比べ、ネット上で津波が通過する国の情報は、更に取れる時代になっている。私もそんなに騒ぐのなら、他の国はどうなのだろうかと、警報中ネットで世界の津波情報を覗いてみたが、まず驚くほどのことは全くなかった。そして同じことをしたネットユーザーが山の様にいただろう。つまり、危険を垂れ流しするだけでは、世界との情報の中で乖離が起こってしまうのだ。まず、これが恐い。
ある者はそれを見て大丈夫だろうと判断し、報道を鵜呑みにした者は大変だと騒ぐ、その人間の数の差は、昭和とは比べもにならない。これが執拗に行われる警戒報道とは別なcrying wolfを呼んでしまうことを政府並びに、気象庁は想定して報道しなければならないのではないか。
ただ闇雲に危険です注意して下さい、といいながら静かな海を移し続ける報道は効果を失い、危険過ぎる。大事なのは、正しい報道、今、何処何処はこういう状態です。しかし、地形により津波の増幅波がありますから、ご注意下さいという具体的な情報を流すことが優先なのだ。

今回私はこれまでにない海の傍での居住だったので、それなりに緊張感を持って情報を見ていたが、結局人が死ぬような事態が起こらなくて良かった。漁業者や沖での作業者達の被害はどうなのだろう。海産物とかには影響があるのかも知れないが。そこまでは現段階では知ることはできないが、まずは大事に至らなかったことは何よりだ。しかし、緊張感を持った分だけ私の中にも、報道=インチキ当てにしないという既成事実は出来てしまった。つまり次は私自身がもうcrying wolfの罠に填まる可能性が出来てしまったわけだ。これは自分の命だけじゃなくて、人の命も奪うのです。もし貴方が何処かで地震の後の津波警報を聞いたとする。「遠くの避難場所より近くの高いビル」「車は使わず・遠くより高く」のルールに則って、近くに高い建物があったら避難するでしょう。でも民家しかなかったら、どうしても助けて下さいと言うしかない。その時、見ず知らずの貴方を入れてくれるでしょうか?。「大丈夫だよ、報道は大袈裟だから」と扉を閉められている間に波は迫っているかも知れません。この様に愛他的報道はされていない。それもどうでしょう。

私たちは2004年12月26日のスマトラ沖地震による津波の被害をもう一度思い出した方がいい。インド洋を襲った津波は波高2〜10m程度だったと言われている。その津波を含めた死者約22万人、行方不明者7万7千人、負傷者13万人という大惨事だった。本当に的確な情報が欲しい時に、垂れ流しの情報を繰り返していれば、逃げられた筈の人も助からなくなる。扇情的な報道ではなく、あくまでも冷静に情報を提供してもらいたいものだ。
何でもそうなのだが、今のマスメディアの人命よりも視聴率、智恵よりもバラエティーという姿勢は本当に弾劾しないといけない。本当に情報が必要な時に、阪神大震災の時の様な乖離した報道をしてはいけないのだ。私達は笑って見ていた番組に殺されないことを祈りたい。と、言ってももう私はテレビを見ていませんが。

(記述日 2010/02/28)



【ワシントン=山田哲朗】マグニチュード(M)8.8を記録したチリ地震は歴代7番目の規模となることが米地質調査所(USGS)のまとめで分かった。過去最大の地震は、1960年5月22日にやはりチリで起きたM9.5で、今回のチリ地震は、1906年1月31日にエクアドルで起きたM8.8の地震と並び7番目に入る。エネルギーにすると1月のハイチ地震の500倍にも達し、太平洋に広く津波を引き起こす原因となった。
ただ、震源が深く、人口密集地が震源近くに少ないため、人的被害はハイチより少なかった。過去の巨大地震は、ほとんどが南米やアラスカ、日本など、プレートがぶつかり合う環太平洋地域で起きている。
(2010年2月28日19時54分 読売新聞)

気象庁の関田康雄・地震津波監視課長は3月1日午前、17年ぶりに発令された大津波警報が過大であったと謝罪し、今後の改善を表明した。現状の予測技術について、「どうしたらもう少し高い精度の予報ができるか、いろいろな角度から解析を進めていく」と述べた。
(2010年3月1日12時57分 読売新聞)

前原国交相。気象庁に「謝罪には当たらない」。津波の過大予測問題で「まだまだ津波の予測の精度が低い」と指摘した上で、「しっかり準備をするという点では、津波の程度が過小であるよりは過大であった方が、より徹底できる」との見方を示した。2日午前の閣僚懇談会では、鳩山由紀夫首相も前原国交相の考えに「同感だ」と述べたという。
(2010.3.2 11:23 産経ニュース)
米ハワイ太平洋津波警報センターの海洋学者はこの発令を擁護。だが報道のあり方がどうであったかまでは恐らく知る由もないだろう。




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