|
◆曽我ひとみさん家族再会 (発生日 2003/07/09) ●北朝鮮拉致家族だった曽我ひとみさん(45)が現地時間の8日夕、成田発の日航機でインドネシア・ジャカルタのスカルノ・ハッタ空港に到着し、同市内のホテルに入った。翌、9日夕に日本政府が用意したチャーター機が平壌から現地入りした夫のジェンキンスさん(64)、長女美花さん(21)、次女ブリンダさん(18)と1年9カ月ぶりの再会を果たした。 ひとみさんはタラップから杖をつきながら降りてくる夫のジェンキンスさんに抱きつき、人目もはばからず接吻を交わした。実に感動的な場面であった。後ろでは二人の娘達がそれを見て涙ぐんでいた。 この一瞬には参院選の投票日が直前に迫り、再会を政治的に利用したのではないかという小泉政権の疑念も忘れさせた。家族が一緒に暮らす可能性が膨らんだことは確かである。 そして、ジャカルタで病状が悪くなったジェンキンス氏は日本での治療が必要とされ、7月18日に日本に帰国した。実に巧い口実であるが、計画的であろうと思われる。次のステップは夫の訴追問題である。ジェンキンス氏は元米陸軍軍曹で、1965年に在韓米軍の部隊から離脱し北朝鮮に渡った。脱走兵として訴追される可能性がある。この辺りも妙に計画性があるような報道がなされ、日本側は米側に「特別な配慮」を要請している。米政府は「来日した場合は身柄の引き渡しを求める。軍法会議での訴追は避けられない」という見解を表面上は見せているが、それほどの時間が経たないうちに「司法取引」なる言葉が出来てきて、どうも筋書きは完全に出来上がっているようだ。一体、この件で小泉氏とブッシュの間にまた如何なる密約がなされたのだろうか?。この間、不思議と小泉氏は余り口を開いていない。本来、脱走の罪は重く、軍法会議の判決では禁固刑が十分為されるほどの違反である。通常は恩赦などの救済措置も一切検討されていないのが普通という。 この辺りで、私が不思議だったのは、まず彼は拉致された日本人ではなく、脱走兵と目される犯罪者に近い立場であるにも拘わらず、やたらに日本の政府が救い上げるような報道がされていたことだ、どうしてこの件で日本は口を出すことが出来るのだろう。彼はアメリカ人であるし、引き渡し条約があるアメリカの法に向かって口出しは出来ないはずであるし、すべきではないのではないか?。 ここでアメリカに情を求めて、それを政府レベルで本当にやってしまうなら、また沖縄の基地の問題等に関して口出しが出来なくなるような懸念がある。 これでは自衛隊の存在を拡大解釈させてまで、イラク派兵して恩を売った意味がない。あくまで日本政府は口を出す問題ではないと思う。どちらにしろブッシュは11月の大統領選で勝つために勝手にパフォーマンスを演じるに決まっているのだ。これは自己判断の問題である。ここまでで政府の役割は十分である。 曽我ひとみさんの人生には多大なる同情を寄せたい。一部のサイトでは彼女を批判するものを見かけたが、それはちょっと違うと思う。航空運賃、ジャカルタでの宿泊費の税金投入は彼女がリクエストするわけもなく、むしろ政府の思惑からなる経費ということではないだろうか。彼女が被害者であり、国が放置していたことは間違いないのである。 但し、正直言ってこのジェンキンス氏に関しては不遜なものを感じる。この男は自分のことだけを考えて来た男なのではないのか?。推測で物を言うのは本来は避けたいし、多くの方々から批判を受ける発言かも知れないが、私の目には常に姑息な対応をとる人物としか映らない。国を捨て去り、兵役を逃れて、訴追を恐れて妻だけを帰した。そして段取りが整ってからは、具合の悪いジェスチャーをして、北を出た瞬間に北朝鮮の批判を始める・・。蓮池一家や地村一家の様な用心とか、思慮によっての沈黙とかの重みがこの人には見えないのだ。ただ、幸せになるためだけに、出頭した・・。私の見解はきつすぎるだろうか・・。今の段階では明確に批判しておこう。人は変わる、彼がいつか日本にでも米国にでも社会的な役割を果たす人物であることを期待している。 また、今回の再会実現で更に懸念があるのは、曽我さんの一家はこれで纏まる可能性が見えてきたが、他の10人の拉致認定者もそれ以外の失踪者達に対しても掘り出しは大変難しくなった様に思う。私の中では今は打つ手は見えない。 北朝鮮側が「再調査」をする必要性が見つからないのだ。北に対して日本だけが仮に経済制裁を発動をしたとしても、殆ど効果がないと思う。むしろ、確実に再調査は打ち切られてしまうだろう。 拉致家族の本当の苦悩を理解することは難しいが、最近は一部の家族が帰ってきたこともあって、相当な焦りを感じる。ここはむしろ焦らずに取り組んだ方が得策だと考える。彼等が欲しいのは名誉と金である。それを徐々に使うしかないと私は思う。どちらにしても北には金を注ぎ込むしかないのだ。それも政治的なやり方だと思う。今の性急な怒りを北朝鮮はどう利用するか、考えているに違いない。 (記載日 2003/07/30) |