社会を語ろう。JOEの私見


ハルウララ現象に物申す!

 ●競馬のことは少しも判らない。この歳までに馬券を買ったのはたったの1回だけ。しかも、友人に乗せられて絶対損させないから、幾らか預けろと言われて、3千円を渡した。これってノミ行為になるのか?。そんなことすらろくに判らないぐらい興味もない。3千円は1万8千円に化けて、還って来た。嬉しかったがその後も続けようとは思わなかった。私は自分に博才がないのをよーく知っているからだ。唯一の遊びは麻雀ぐらいだろうか。これも勝っても負けても楽しいからやっているだけ。それなりの巧さは自負しているが運気が良いとき以外は大勝はない。
 さて、話しが逸れましたが、高知競馬場に所属する馬に「ハルウララ号」という牝馬がいる。昨年の12月14日に出走100連敗を記録した。私も90連敗ぐらいからマスコミで騒がれはじめていたので、さほど気に留めていたわけではないが記憶に残っていた。100連敗を迎える頃には社会現象化が激しくなって、テレビへの露出度も頻繁になって来たので、一体どういうことだろうと、若干の興味を持ち始めた。マスコミの報道を見ていると、ハルウララが勝つことが出来なくてもひたすら走り続ける姿が、サラリーマンや商店主等の悲哀を呼ぶのだという。勝っても欲しいが負け続けて欲しいというインタビューの声も多かった。私は1対1の闘いってわけでもないので、地方競馬でもそんな惨敗馬は沢山居るのではないかと不思議に思っていた。ただ、その頃までは応援している人達に違和感を覚えることもなく、サラリーマンも自営業者も大変だからなぁ、と気持ちを理解する事もできた。
 そして、記念すべき100連敗の当日には橋本大二郎・高知県知事が訪れて、感謝状とニンジンでできたレイを贈ったらしい。何の感謝状だったのか、中身を読んでみたい。
  ただ、私が同情の範囲でいれたのはこの頃ぐらいまでだ。その後も、ハルウララには1戦1戦熱いエールが送られ続けて、高知競馬場はウハウハな状態が続く。ファンは負けても彼女の馬券を握りしめて勝敗を見守る。うーん、何かおかしくないか?。いや、ビジネスとしての競馬に文句を言う気はさらさらないが、それでいいのか?。
 そして迎えた108戦目、5月5日。高知競馬場の第8レースは「春うらら・あすなろ特別」。この日は更に、ウララの母親ヒロインと同じ妹・ミツイシフラワーも第5レースの「未来ケ丘特別」に出走。熊本・荒尾競馬から移籍しての高知初戦は、黄色地に赤いチューリップが咲いた新しいメンコ(覆面)を着用して登場。馬券のスタンプサービスも開始され、ハルウララの妹というだけで、いきなり単勝1番人気だ。
 この日の高知競馬場には、両馬のレースを速報した日テレ系「ザ・ワイド」のスタッフを含めてテレビ、新聞、雑誌などのマスコミ軍約30社、約70人が取材に訪れた。当然こいつらも負けを期待しているんだろうな。そうじゃなきゃ今後このネタで引っ張れないからな。段々と胸くそが悪くなって来た。結果デビュー以来の12連敗。流石に負けたことで盛り上がりはしなかったが、ほっとしている間もなく、8レースがやって来る。「負けに屈せず、不況の時代に精いっぱい生きる人たちの思いを乗せて、ハルウララは今日も出走!!」とのコメントが入る。
  「違うだろ!。それって負けに屈してるじゃねぇか!。」思わずテレビに向かって突っ込みを入れてしまった私・・。更に「精一杯生きてねぇってつうの!。」と大人げなく声を荒げる。自分の口から吐き出された素直な感情で、違和感の原因をスッキリと理解する。流石にもう口には出さなかったが、「こいつら負け犬だ。負け犬になろうとしている。傷を舐め合っているだけだ。絶対こいつら努力なんかしてないぞ」と心で呟く。レースが終わり番組が終わった頃には私も冷静さを取り戻し「あー、危ねぇー、弱って来たなぁ・・」。多少マスコミに乗せられた反省も踏まえて「現状打破の解決策なんて、諦めないことと頑張ることしかないんだ。そんなことを忘れている者達と一緒になってはいけない。」
 ふと思い出した場面がある。私は尾崎豊という歌手が好きである。だが、尾崎の歌を女々しいとか、泣き言だと嫌う人も多かった。だが、私はそれが否定の理由だとは思えなかった。彼の死から何年か経っても追悼番組は繰り返されていた。それは間違いなく彼の歌が良いからに違いない。ある追悼番組の中で、多くの若者達が街中で彼の歌を叫び、涙していた。だが、その姿は美しくなかった。当時の同居人が言った。「私も尾崎は大好き、でも勘違いの尾崎ファンは大嫌い。」。そういうことだよな・・と私も思った。彼等は尾崎豊を追悼していたのではなく、彼の死を悼む己の姿に酔っていただけだ。恐らくは勘違いをしたファンに対する嫌悪感から尾崎を嫌いになってしまった人も多かっただろう。それと同じ気分をハルウララ現象に見てしまった。勿論、ハルウララには少しの責任もないだろう。さて、貴方は何を感じただろうか?。
(記述日 2004/05/05)





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