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◆赤坂少女4人監禁(発生日 2003/07/17) ●東京都稲城市の小学6年生の女児4人(11〜12歳)が13日から自宅を出たまま行方が分からなくなっていた事件で警視庁は17日、全員を港区赤坂の短期賃貸マンションの最上階、11階にある2DKの部屋で保護した。女児達は丸4日近く監禁されていた。水を入れた20リットルポリタンクや鉄アレイに手錠をはめられ、目にはアイマスク、時にはスタンガンで脅され、監禁中はほとんど菓子類しか与えられていなかった。手錠や鉄アレイは事前に用意されていたらしく、監禁は周到に計画されていたとみられている。 17日に女児の1人が、監禁していた男の声が聞こえなくなったことを察知、脱出の機会をうかがっていたところ正午過ぎに手錠から手が抜け、マンション隣にある生花店に裸足で駆け込み、「助けてください!警察を呼んでください!」と訴え、店員が赤坂署へ通報した。赤坂署員が保護した際、恐怖と衰弱のあまり、自分の名前を言うこともできない女児もいた。監禁されていた部屋からは横浜市港北区の職業不詳、吉里弘太郎容疑者(29)の遺体が発見された。警視庁は未成年者誘拐と逮捕監禁容疑で被疑者死亡のまま同容疑者を書類送検した。吉里容疑者以外にも共犯者がいるとみて行方を追っている。 調べによると、既に渋谷の繁華街で7月上旬に吉里に声をかけられ、携帯電話で連絡を取り合うようになっていた女児の一人が「渋谷にいけばお金が入る」と言って友人4人が集まり、13日午前中に稲城市から渋谷へ向かった。同日、女児は吉里から「1万円で部屋の掃除のバイトをしないか」などと言われ、午後1時過ぎに渋谷の高級ホテルで面会した後、JR渋谷駅前から2人づつタクシーに分乗して赤坂のマンションに連れていかれた。1台目に吉里容疑者が、時間を置いて2台目の車に若い男が同乗。マンションの部屋に着くと、吉里容疑者が「ここに来た意味がわかるよね」などと話し、4人を監禁した。共犯と思われる若い男は部屋には入ってこなかったという。 22日、警視庁は吉里が借りていた埼玉県久喜市のアパートの部屋や所有していた車等から、1000本以上の違法なわいせつビデオテープを発見した。また、自殺した赤坂のマンション室内からも若い女性を撮影した写真等が見つかっている。 更に吉里は少女達にカラオケ5000円、パンツ10000円、裸の撮影10000円などの記述があるブルセラのチラシを配ったり、女子高生達にアルバイト代1万円を渡すなどして、「簡単なアルバイトで現金をもらえる」と書かれた『プチエンジェル』なるチラシを渋谷や新宿などの女児達に配布し勧誘していた。アルバイトをすることになった女児には最初は掃除させて1万円を渡していたが、次第に男性客に紹介し、客から紹介料などを取っていたとみられる。そしてその証拠となる約2000人の名が記された「顧客リスト」の存在も浮かび上がり、吉里が違法なビデオの販売だけで利益を得ていただけではなく、少女売春組織を運営して巨額の金を得ていたことが判明してきた。 押収されたリストの中には「弁護士」や「会社役員」そして「代議士」が含まれていた、というまことしやかな憶測が流れたが真意のほどは定かではない。このことで事件はただの少女趣味の変態男による監禁騒動ではなく、更に闇が深い事件の様相を呈してきた。 吉里の死亡に関しては当初は事件の背景や遺書らしきものが無かったことから他殺説も囁かれていた。自殺は女児の部屋から見えないダイニングで行っているが、ビニールをテント状にした中に入り、足元で2個の七輪で練炭を炊いたことによる急性一酸化炭素中毒死と断定されている。自殺用の道具は、手錠等の監禁用道具と共に事前に準備されており、発見時、死後十数時間が経過していたが人の出入りがなかった状況から他殺は考えにくく警視庁では自殺とみている。自殺の原因に繋がる要因は後から徐々に報道されるようになってきた。 ■警視庁が16日、別件の中学2年生の女子生徒(14)への買春(昨年3月)容疑で当人の逮捕状を取っており、捜査が迫っていたこと。 ■吉里容疑者は持病の皮膚アレルギー性疾患に苦しんでおり、「きっかけがあれば死にたい」と知人らに漏らしていたこと。 ■また、吉里の父親は元朝日新聞の敏腕記者で西部本社社会部長を務めるほどの人物であったが、93年に難病の頭頸部ジストニアを発病し休職後、96年に自殺している。そして4年前には長男が自殺。2年前には母親が自殺未遂を企てたりと、家庭に不幸が多く、自らも自殺願望が生まれていたと考えられる。 吉里容疑者は沖縄県出身。吉里は親族との死別後、生命保険など多額の遺産を相続した一方で、わいせつなビデオの無店舗販売や少女売春等のビジネスを手がけ、相当な資産があったとみられている。最近は新宿や渋谷の高級ホテルを転々とする生活を続け、アパートにはほとんど立ち寄っていなかった。監禁事件の被害者の女児と面会した渋谷の高級ホテルでは、二百数十万円の宿泊料金を一括払いしていたり、車はフェラーリを乗り回していた。また、自殺後に残されていた吉里容疑者の財布の中には現金20万円以上が入っており、部屋の中にも数百万円があったという。 この事件も社会的な問題を大きく孕んだ事件だと言える。少女達は無事に保護され、暴行を受けることも殺されることもなく幸いだったが、犯人は死亡し少女売春という裏社会の扉は閉じたままだ。当然警察は押収品やリストの洗い出しをしてゆくのだろうが、果たして真実が我々の前に浮かび上がってくるだろうか?。どうも、最近のマスコミの歯切れが悪くなって来ている。また、リストの中に権力者でもいたのだろうか・・。 だが、どんな社会にも闇は当たり前の様にある。少女売春だろうが、人身売買だろうが、やる側の目的は金でしかないだろう。問題は闇に落ちるか、落ちないかである。そして、光射す社会は闇への入口を出来るだけ照らし、小さくし、被害者を減らす努力が必要だろう。 この女児達はお金を得て一体何が欲しかったのだろう?。女児の親達は一体何をしていたのだろうか?。普段から子供達を見ていたのだろうか?。話していたのだろうか?。子供達が欲しいと思う物を知っていただろうか?。そして、大事な物がお金ではないということを伝えていただろうか。 自分も二人の女児の父親であったことがある。決して立派な親とは言えなかったかも知れないが、常に子供の変化・行動には意識を向けていたつもりではあった。勿論、親は始終子供を見守れるものではないし、家庭の事情も異なるだろうが、小学生の女子が繁華街に出てゆける環境であったということは信じがたい事実である。それはまるで、闇の社会に餌を与えているようなものだ。私は繁華街は凄く危ないところだから、一人で行くことの怖さを伝えていた様に思う。 考えて欲しい。吉里だけが持っていた顧客リストだけで2000人もの需要があったと云うことは、全体的にはどれ程の数に及ぶのだろう。それを供給できる程の少女達が闇に落ちていたということなのではないだろうか。法治国家の崩壊や犯罪組織の恐ろしさもさることながら、一番恐ろしいのは、子供達を守る意識が希薄化した大人達の存在ではないだろうか?。危険な落とし穴があっても大人達が子供に対しての危機意識を持っていればかなりの危険を回避出来ると私は信じる。闇を作らせているのは放任主義と称した無関心だったり、うちの子に限ってという慢心だったりするのではないだろうか。 警視庁少年育成課は事件発覚の翌日の7月18日夜、渋谷センター街などで一斉街頭補導を行い、少年少女1523人を補導した。補導された少年少女の内訳は男子1077人、女子446人。深夜徘徊、喫煙などの「不良行為少年」が1447人、自転車窃盗などの「犯罪少年」「触法少年」が75人など・・。一体いつから日本は家族が崩壊し始めたのだろうか。 (記述日 2003/07/29) |