事件を留めよう。JOEの私見


コンビニ店長刺殺事件 (発生日 2002/07/21)

 ●2002年7月21日午前6時50分ごろ、JR東京駅構内1階の新幹線中央乗り換え口付近で強盗殺人事件が発生した。犯人は元配管工(34歳)の大森秀一(住所不定 無職)。大森は犯行現場近くの「サンディーヌエクスプレス東京センター店」で店頭の菓子パン2個、おにぎり1個、コーヒー牛乳の4点計550円相当を万引きした。
 同店店長の桶田順彦さん(33歳)が店を出た直後に呼び止め、店舗裏の事務所に連れて行こうとした。大森が逃げたため追跡、約80m離れた階段付近で転倒した大森ともみ合いになり、包丁のようなもので刺された。桶田さんは大森をしばらく追いかけた後で倒れ、その後、死亡した。男がかけていたとみられる黒縁の眼鏡や万引きした物は、コンコースに落ちていた。

 その後、防犯ビデオが公開され、逃げ切れないと思ったのか、大森は翌日になって警察に出頭。大森は盗難車や駅構内で寝泊りする生活を1年以上続けており、窃盗で執行猶予期間中にもかかわらず、これまでも同じ店で何回か万引きしていたという。犯行当時、大森は2000円しか持っていなかった。  (上記 各新聞より抜粋)

 ご冥福を祈りたい。こういう事件が一番風化させてはいけない事件だと思うのだが、ただ、追いかけて刺されて死んだ。ということだけで、忘れ去られてしまうのだろうか。

 奇しくも一歳違いの同世代だった被害者と加害者、桶田さんは父親が元警察官で正義感の強い青年だったらしい。もみ合いになってしまったことが結果、命を落とすことになってしまったのだろうが、誰が万引きぐらいで刃物が出てくると思うだろうか。大森はなんのために刃物を持っていたのだろうか?。脅かすためか、自衛のためか・・。短い報道ではさっぱりその辺が判らない。だが、きっと私も追いかけていただろう。大森は追いかけられ、そのパンもおにぎりも捨てて逃げて、追いつかれ逆襲して刺して、そして逃げた。やはり何のためにとしかいいようがない。何故、刺し殺すまでしなければならなかったのだろう。

 警視庁は店の防犯ビデオに映っていた男の映像を公開して、逃げた男の行方を追った。そして逃げられてないと思った大森は出頭して来た。この男、後悔の念で出てきたわけではないだろう。親族と教義の上、多分、出頭すれば死刑まではいかないと踏んだのに違いない。無職だけではなく姑息な男である。
 しかし、事件が起こった時間に他の人物はいなかったのだろうか?。誰か加勢出来る人物はいなかったのだろうか・・。朝7時の東京駅はまだ人が少なかったのだろうか・・。
桶田さんは「逃げるんじゃない」と叫んでいたらしい。そして 店長は刺された後も暫く追跡を続けていたらしい。
 しかし犯人は誰にも邪魔されることなく、逃亡出来たようだ。

 現場にいたら私も傍観者だろうか・・、いや、刺されてしまっていただろう。だが、桶田さんの死に意味があるとするならば、桶田さんの正義感と勇気にエールを送りながらも、これからの時代は他の選択を考えなければならないのだろう。それが桶田さんの死に報いることになるのかも知れない。
 勇気、正義、それらは今の時代、誰のために?という投げかけを持ちながら、失われつつあるものなのかも知れない。他人に対してやはり現代は希薄なのだろうか。これをただの都市型犯罪と呼ぶだけでいいのだろうか?。自分が食堂で謝る女子店員に詰め寄った作業員を怒鳴りつけた時のことを思い出す。そこにいた沢山の男達の誰一人、加勢をする者はいなかった。彼が刃物を持っていたら、私はその彼等の目の前で意識を失わせていただろう・・。
 桶田さん、何も出来ずに申し訳ない。今は安らかに眠って下さい。


(記述日 2002/07/23)



 桶田さんの両親(茨城県在住)が大森秀一受刑者(37)に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は6日、請求をほぼ認め、大森受刑者に約8300万円の支払いを命じた。
 秋吉仁美裁判長は判決理由で「順彦さんが万引した大森受刑者を取り押さえようとしたのは当然の対応であり、加害行為は悪質で理不尽。子の成長を喜び、頼りにしていた両親の悲しみ、苦しみは大きい」と認定した。

 無期懲役が確定した大森秀一は答弁書を提出せず出廷もせず両親側は全面勝訴したが、大森服役囚は一度も両親側に謝罪していない。法廷で不在の被告席を見つめていた父清順さん(62)は「申し訳ないと謝るのが人の道。それを分からせたいと思い提訴したのだが……」と無念そうに語った。近頃の犯罪者達はすっかり殺しても謝罪はしない傾向になった・・。そしてこの金は誰が支払うのか・・。当然無職で逃げ回っていた男が払うことも出来ず、よくても親戚が負担する程度おことだろう。この現実を私達はどう受けとめればよいのか。
(記述日 2006/04/07)





【RETURN 2002】