政治を語ろう。JOEの私見


辻本清美議員辞職 (発生日 2002.03.26)

 ●社民党の辻元清美議員が、本日、5年5ヶ月に及んだ国会議員の職から退いた。他議員の私設秘書を政策秘書として登録し、国民の税金で賄われる政策・公設秘書給与を事務所経費に 流用し、詐欺罪の可能性が濃厚となった。
浮かび上がってから疑惑はすぐに事実と判明され、議員を続けてゆく退路は、まず道義的に断たれた。鈴木宗男を追求してから、僅かな期間に彼女は一転、批判を受ける側に回り、他の議員からの批判は刻々と高まり、今日に至った。

先に行われた辻元議員の記者会見における釈明も事実と異なっていた。本人としては、国から支給された費用を、事務所全体の経費へ活用しようとしたのだが、支給を受ける本人からの還元を寄付金として処理していなかったから、法律に触れるとされた。この時の釈明が特に拙かった。あの好戦的な彼女が受けに回った時には、自分を守る術が何もなく、嘘まで付いてしまったのである。何れにしても、議員は辞めなければならない結果になったかも知れないが、あの場面で潔さがあれば、彼女に対する攻撃は此処までは拡がらなかっただろう。彼女はどちらかと言うと好かれないタイプで私の周りにも嫌いな人が多いが、個人的には真面目な政治取組をしていたのではないかと思うので残念である。

恐らく、総理大臣を含めて、秘書費用を流用している議員は山の様にいるに違いない。後は合法的な処理に見せているか、イザという時の勤務実態の説明能力が出来ているか、ということだろう。辻本議員の場合はどうやら党に見捨てられたようだ。党を含めてどうにも逃げ道のない、拙い処理だったということだろう。完全なる迂闊さに、「こりゃ、駄目だ」とさっさと烙印を押したようだ。さて、今後、彼女は政界に戻ってくることが出来るだろうか・・。出来れば意気のいい突っ込みをまた見たいものである。

社民党内部の対応は、冷ややかだった様に感じる。審査委員会の結果を報告する正副委員長の口調も他党のことの様に断定的で、彼女に対する労りを見せなかった。さらに他党に先がけて議員辞職論が党内から湧き上がったことを見ても、組織防衛意識が働いて、支持基盤の組織や団体の視線を優先したと思える。はて、彼女に票を投じた有権者達はどうみるだろう?。圧倒的な的な強さで勝ち、将来の党首ともなれた辻本をあっさり切り捨てたことを・・。
土井たか子党首、福島瑞穂幹事長の言動も、常に純粋な正義の味方であらねばならない社民党の立場を考慮して苦悩に満ちていた。国民の視線を意識した態度なのかも知れないが、党内の辞任要求を抑えきれずに矢面てに立たされていた。当然、この問題では土井女史は党首を降りるべきであろう。社会党自体から社民党に至って、土井政党はここで終焉を迎えた様に思う。要するに力を失ったいたのだ。

国民の多くは、今回の辻元議員の問題を同じ時期に起こった鈴木宗男・加藤紘一問題に比べれば、悪意は低い様に感じただろうが、彼女の場合は疑惑ではなく、あくまで法律に抵触した。今回の件では「疑惑の総合商社」ではなく、「犯罪の個人商店」という落ちになってしまった。鈴木宗男を追いつめていた時の勢いは見れず、議員バッチを外す姿は痛々しかった。初めて彼女が女性に見えた瞬間だった。
彼女は国民に対してテレビの前で頭を下げて謝罪した。しかし、 「3月20日の記者会見に間違いがあった」という言葉は震えていた。それは通用しない嘘だろう。明らかに言い逃れで見苦しい会見となった。前述した通り、誤魔化しがなければ幾分、辞職してもイメージが違ったかも知れなかったのに。

社民党が、国民の意思を代表し、正義を標榜する政党でありたいのなら、辻元議員の私憤を晴らすなどといった瑣末な次元の問題にすりかえられることなく、鈴木・加藤の問題を見事に追及して見せることである。55年体制の残党となり果てた社民党は、どこまで行っても裏取引が身についていて、威勢のよい言葉の裏では自民党と馴れ合いっているというイメージと、明日のない先細りの弱小政党にはもはや国政における何らの力もないように思えて仕方がない。
(記述日 2002.03.26)






【RETURN 2002】