社会を語ろう。


◆踊る牛は何故悪い?(発生日 2001/09/10)

 ●9月10日、遂に日本でも小刻みに踊る牛が見つかった。通称では「狂牛病」という病に罹った牛だ。発病した牛は激しく踊るように痙攣し、死に至る病気だ。
 以下、日本生協連HPを参考にして詳しく説明します。

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 「狂牛病」は正式には牛海綿状脳症=BSE(=Bovine Spongiform Encephalopathy)と言われ、牛に発生する病気で、行動異常、運動失調などの症状を呈し、発症した牛は数ヶ月ぐらいで死亡する。原因は神経組織などに存在する「プリオン」と呼ばれるたんぱく質が異常化し、牛の脳組織をスポンジ状にしてしまう。感染は牛の餌に使う牛の肉骨粉に入っている異常型プリオンを摂取すると、それが時間をかけ脳にまで達して、元々脳内に存在する正常なプリオンまでを異常化させてしまう。異常型プリオンを含む餌を摂取した牛は、2〜8年の潜伏期間を経て狂牛病の症状が出てくるとされている。
 では、この牛の病気が何故人間にとって問題であるかというと、当然人間は牛を食べる。狂牛病になった牛肉を食べると、実は確率は低いが人間にとっても致命的な病気に陥ることが判っているのだ。
 狂牛病は1986年代に英国で初めて発見され、広がったのは狂牛病の牛から作られた肉骨粉が牛に用いられたことによる。人間にも「クロイツフェルト・ヤコブ病」(CJD)という、プリオンが異常化して起こる病気があるが、これは狂牛病に由来するものではないが、90年代半ばから「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」(vCJD)と呼ばれる狂牛病の牛を食べて感染した病気が発生してしまった。変異型クロイツフェルト・ヤコブ病は今のところ治療法が見つかっておらず、発症後半年から2年程度で死亡してしまう。これまで英国を中心に100人ほどが変異型クロイツフェルト・ヤコブ病で亡くなっている。死に至る姿は痛ましく、対処方法がないので相当に恐怖を与える病気である。
 プリオン病にはいくつかのタイプがあるが、どれも脳が変性して死に至る。潜伏期が数年続くものもある。この疾患で死亡したヒトや動物の脳にはあちこちに空洞ができている。これがスポンジに似た外観をしているが、「海綿状脳症」という名の由来となった。
 その中で最初に取り上げられたのが羊のスクレイピーで、250年も前のことである。当時はその原因ははっきりと判らなかった。その後、ヤギ、ミンク、シカ、ヘラジカ、ネコ科の動物などによく似た病気が発見されるようになった。人による最初のプリオン病は、パプア・ニューギニアの一部の部族を襲ったクール病である。1957年、アメリカとオーストラリアの科学者が、人肉食の儀式で人間の脳を食べたことが原因であることを明らかにした。それ以後、クール病は事実上消滅した。現在、ヒトで最も拡がっているプリオン病はクロイツフェルト-ヤコブ病(CJD)であり、世界中で感染者は100万人に1人の割合で高齢での発症だが、狂牛病(vCJD)によるものは20代でも発病する。
(記述日 2001/09/10)



 原因・病状・感染の経路についてはほぼ判明しているようであるが、実際はどの情報を得てみても、病気に至る確率に関しては現段階では不明だ。異常型のプリオンをどれだけ摂取するとなってしまうのか、どこを食べるとなってしまうのとか、は実験中のようだ。ただ、はっきりしているのは日本でもこの牛が出現したということで、BSEになる可能性が出たわけである。原因は国外産の安い肉骨粉の餌を食べさせたからに他ならない。そして、結果的には後からBSEではないことが判ったが、10月には日本初の患者と思われる十代の女性の存在を坂口厚労相が認めたりと、確実に日本でも牛肉離れが起こることとなる。現段階でこの問題が防ぎ切れていた人災なのか、やむおえない結果だったのか判らないが、明らかにクール病の例を見ると、ほ乳類レベルでの共食いはかなり危険であるということだろう。しかし、共食いによってどうしてプリオンの異常が起こるのかは判っていない、科学的に何時かは証明されるのだろうが、それまでは同族を愛おしむための神の啓示としか言いようがないのだろう。BSEに関しては今後も状況を記述していきたい。
(記述日 2001/10/29)





【RETURN 2001】