事件を留めよう。JOEの私見


えひめ丸の悲劇と日本の対応(発生日 2001/02/10)

 ●平成13年2月10日(日本時間)、ハワイ州オアフ島沖で愛媛県宇和島水産高等学校の練習船「えひめ丸」(35名乗船)が、緊急浮上した米原子力潜水艦「クリーンビル」に衝突され沈没、乗員35名中9名(内高校生4名)が行方不明となった。この時、森総理は報告を受けてもゴルフを続けていたという報道があった。まさに今の日本の現状を表している。お気楽と極楽と堕落が一緒だ。
 米側はブッシュ大統領が森総理へ、パウエル国務長官は河野外務大臣に電話で謝罪した他、大統領特使ファロン海軍大将が大統領親書を携行して来日し、愛媛県も訪問(2月29日)。米国はあらゆる面での責任を認めている。流石に沖縄の米軍兵士の問題や日米同盟に敏感であり、起こってしまったことの大きさはさておき、対応は早かった。  ただ、ワドル艦長の狼狽振りはどうやら、惨劇を起こしてしまった事よりも、その経緯に大きな問題が隠されているためのようだ。相当なハイテクの潜水艦であったクリーンビルがどうして、愛媛丸の存在を確認出来なかったのか。潜水艦の専門家によると、音によって物体を検出する音波探知器システムは、エンジンを停止している船舶をしばしば見逃すことがあるというが、愛媛丸船長の大西氏は衝突当時愛媛丸のエンジンは稼働中であったと証言、だとすればグリーンビルの音波探知器は容易にその音を検知できたはずだ。最大の問題は当時乗組員以外に15人の民間人と一人の軍人も乗船していたということだ。しかも 海軍はそれらの民間人の身元やどのような団体の人々であるかを明かすことを拒んでいる。問題は緊急浮上の原因にあるように私は思われてならない。ひょっとすると、機関士でない人間が船を動かしていたのではないか、ということも考えられる。
 愛媛丸は水深1866フィートに沈没しているとのことだ。どの位の月日と経費が掛かるかは想像もつかないが、やがて船は今後引き上げられて、検証されるだろう。さて、今の日本の政府はこの真実を何処まで追求出来るだろうか。相手の巨大さに負けずに徹底的に闘って欲しい物である。日本の政府は色々なことをうやむやにしてきている。
 森首相の能力はさっぱり判らないが、自民党の判断ではなく、自らの決断を持って強く当たって欲しいものである。明らかに否を認めている米国だが、その裏には特別な真実が隠れている。今後の対応から目を離してはいけない。
 余談だが、愛媛丸は太平洋戦争中にも、パールハーバー所属の米潜水艦に沈められていた。防衛庁の資料によると、1943年11月2日午前8時45分ごろ、奄美大島の東約500キロの太平洋で、輸送船「愛媛丸」が米潜水艦「ハリブット」の雷撃で沈没、乗組員84人全員が戦死した。当時の愛媛丸は海運王・山下亀三郎が創業した山下汽船の船だが陸軍に徴用され、パラオに向かっていたらしい。愛媛丸は半世紀後、再び日米間の論争の的になってしまったわけだ。
 事故で亡くなった方々の冥福を祈りたい。合掌。
(記述日 2001/02/28)






【RETURN 2001】