政治を語ろう。


外務省機密費初代三バカ(発生日 2001/01/01)

 ●21世紀の幕開けと同時に、「外務省機密費横領事件」が発覚した。
  元旦の読売新聞では外務省の職員が莫大な公金を横領し、個人の生活費や遊興費等に充てている事実を取り上げた。この大スクープによって、犯罪は単なる汚職や公金横領等というレベルを越えて、機密費という不明確な戦後政治の闇を照らし出すきっかけとしてマスコミが大々的に追求し始めた。
 さて、まずこの機密費とは何だろう?。
<外交機密費> 正式には「報償費」。今年度は55億7千万円、来年度も同額の予算が計上されている。他国の情報収集や外交交渉等、外交関係を有利に進めるために使う調整資金とされており、情報提供者への謝礼や飲食代もこれに含まれる。会計検査院との取り決めで領収証など証拠書類の提出は義務づけられておらず、使途は事実上の「ブラックボックス」になっているが、外務省では書類を5年間保管することになっている。
外交機密費の約3分の1は、首相官邸の扱う官房機密費(内閣官房報償費)に「上納」されている。「上納」については、89年に内閣が作成した内部文書に「官房長官が取り扱う報償費は予算上、内閣官房と外務省に計上されており、形式的には外務省計上分を内閣官房に交付する形をとる」との記載があり、国会などで批判を受けてきた官房機密費の総額を表面的に抑えるという、首相官邸と外務省における不透明な予算操作の実態が浮かびあがっている。92年には16億円、現在も約20億円が官房機密費に転用されている。

■松尾克俊・元要人外国訪問支援室長(55)による機密費(報償費)流用の主な犯罪内容。
 1993年から2000年にかけて、松尾克俊は首相外遊の日程調整などを担当する「要人外国訪問支援室」の室長を務めていた。このポストは首相が外遊する際、ホテルや海外の要人への贈答品、接待準備などを手配するもの。その際の経費は外交機密費でなく、官房機密費から支出することになっていた。
 この業務に携わっていた期間、1億円以上の資金を個人的に流用した疑惑が浮かび上がった。外遊に同行したり、下見をした際に、経費を水増し請求して一度に数百万円単位を着服。総額1億円以上を自分の口座に入金した疑惑が持たれている。
 更に在任中に東京都内の新築高級マンションの1室を購入、競走馬を少なくとも14頭の所有が判明する。また多数のゴルフ会員権やヨットなどを所有していたことも新たに判明。
 調べが更に進むと個人名義で大手都銀3行に7口座を開設したほか、当時交際していた女性名義の複数の借名口座を利用し、これらの口座に四億円前後の機密費を入金していたことが判った。
 官房機密費は、官房長官の裁量で自由に使える。現金の出し入れや会計処理は、首席内閣参事官(現在は内閣総務官)や官邸の事務局が担当している。元官邸関係者は「官邸は外務省から『これだけ必要』と言われれば、もとは外務省のカネという意識があるので、そのまま渡す」と語っている。巨額の機密費をめぐる曖昧な位置づけが、機密費犯罪の温床となっていたとみられる。

■水谷周・元デンバー総領事(52)による機密費(報償費)流用の主な犯罪内容。
 1999年9月新公邸を借り上げるにあたり、既存の家を修繕するのに要する経費を家主に支払うとして、20.4万ドルを外務省本省に請求。しかし、その経費は約13.1万ドルしかかからず、その余り約7.3万ドルを私的に流用した。なお、水谷は捻出した資金を公邸備品の購入費やレセプション関連経費にも使用していた。   この他に架空の臨終職員の雇用経費詐取、公的設宴と称した食材を購入、仮公邸から本公邸への移転の際の私的荷物の保管・移送料の抱き合わせ、その他、米国人を対象とした日本に関する後援会を計画した際の会場借り上げ費の一部巻き上げ等々、細かい詐取を行っていた。

■小林祐武・外務省課長補佐(45)による機密費(報償費)流用の主な犯罪内容。
 2000年7月の沖縄サミットの準備の際、日の丸リムジンに対しハイヤーの契約台数を水増しした代金を外務省に請求させ、同年3月から9月までの間、5回にわたりハイヤー使用料として支払われた約2千2百万円をだまし取った。
 水増し額は約1千2百80万円。うち約1千125万円をタクシークーポン券などの形で小林被告らが受け取り、自らが約930万円、大隈被告に約195万円分を分配した。残る約150万円余りは日の丸リムジン側の担当者が使っていた。
 警視庁捜査二課は、外務省側が金額を指定して不正な請求をさせる手口が以前から恒常的に行われていた疑いもあるとみて調べている。
(記述日 2001/01/03)



 上記を読んでもらえれば、今更ながら外務省という組織が戦後にどれ程腐りながら来たかが判る。勿論、全てが腐っているとは思わないが、清廉な人達は何処に潜んでいるのだろう。内部告発を期待したいところだが・・。
 これで批判だらけの組織となった外務省だが、肝心な問題が論じられてはいない。まず、この上納的な金の流れがどうして行われるようになったのか、そしてこの資金の流用意図は何処にあるのかである。
 領収証もいらない情報謝礼?。実際にそういう活動をしているなら、確かに沈黙した金も必要ではあろうが、冷戦終結以降、何処に何十億も使わなければいけない国があるのか私にはよく判らない。一体、外務省は大使館活動以外にどのような外交活動を行い、機密費という存在の必要性は何処にあるのだろうか。言いたいことも言えず、貿易や関税・食料や資源・領土や防衛問題、その他の問題でも負けているだけにしか見えない外交の何処にこの費用は有効活用されているのだろうか・・。
 今回の不祥事にマスコミもこの点での突っ込みがないように思われる。事件自体はやがて記憶から消えて風化していってしまうだろう。正直言ってそれは構わない。だが、膿を産み出している病巣の原因だけは何が何でも突き止めて欲しい。
 60億は莫大な金額である。しかもこの手の経費は放っておくと、思いとは裏腹に知らぬ間に増えてしまう危険があることを忘れてはいけない。
 政治家もマスコミもキャリア官僚の特権意識の問題に事をすり替えがちであるが、日本が「事なかれ病」という痛みが現れ難い大病で倒れる前に、情報公開と粛正の精神で、政治家には健康になるための処方箋作りを、マスコミには綿密な検診して欲しいと願いたい。勿論、一小市民の自分も闘います。
(記述日 2004/08/10)



【RETURN 2001】