MY FAVORITE MUSIC
河より低い町で




素晴らしい曲である。
英名:MY OLD MAN
作詞:知久光康 作曲:杉田 裕
J-WALKのアルバム「心の鐘を叩いてくれ」に入っている。
「心の鐘〜」もかなりの名曲だと思うが、
個人的には思い入れが深い。

平成元年正月、親父が逝った。
別れの言葉は白い壁にマジックで書かれていた。
大きくて角張った文字は彼らしい。
娘を宜しく頼むという一文があった。
23歳年下の腹違いの妹のことである。
お袋が住んでいたマンションは消えた。

妹に対しての恨みはない。
だが、親父には「くそくらえ!」と思う。
その年から幼くて親父をよく知らない妹のために
奴の日記をコピーする毎日が始まった。
仕事なんか手に付きはしない。
漸く、1年がかりの複写が終わり、
「さあ、これで奴に対しての追悼は終わりだ」
そう思い、落ち着き始めたある日・・。
「何も言えなくて、夏」や「心の鐘を〜」の
曲に惹かれて1枚のアルバムを買った。
しかし、俺は4曲目で打ちのめされてしまった。
涙は溢れ続け、止まることを知らなかった。
今でも苦手な曲だ。

奴が教えてくれたことと言えば
本を読むことだけだった。
あれから一度も仏壇に向かったことはない。
俺のレクイエムはこの曲を聴くことだけだ。

大学を中退し、勘当されてからの10年に
奴に会ったのは5回ぐらいだろうか。
だが、俺が妹に会う機会はそれよりも少ない。
この15年でたったの1回だ。
俺が生きているうちに
妹に手記を渡せるだろうか・・。

記:2003年6月13日(金)  






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