|
MY FAVORITE MUSIC
いとしのエリー |
|
1979年、3月と言えば・・ 旅行専門学校へと再入校して 社交ダンス部に入り 勉強よりも踊りに明け暮れて まだ踊りに夢中で恋は どうでもよかったその年の夏 この曲は大ヒットだった。 エリーの蝉しぐれが 盛夏の街中に響いていた。 卒業して社会人数年目だったか 恋人も出来ていたが 僕は友人と新宿の二丁目に 遊びに繰り出す様になった。 当時はそれが一番大人への 近道の様に錯覚していた。 オカマさんやらゲイさんやら 僅かな給料を削って 彼らの人生を見て愉しんでいた。 その当時の恋人に内緒で 水曜日と言えば二丁目に繰り出す。 そこで出会った綺麗なモデルの娘。 確か歳は27歳で少し年上だった。 行きつけの店で何度も会うようになり 電話番号を交換し 時々電話でも話すようになった。 恋人には申し訳ないと思いつつ 僕はその女と話すことで落ち着いた。 彼女と電話で話す時、バックミュージック として必ず流れていたのが 「いのしのエリー」だった。 仕事が忙しくなり ネオン街から足が遠くなって お互いの連絡も途絶えた。 僕は恋人を愛していたし 少し年上の秀麗なお姉さんとは 付き合う勇気もなかった。 数年間はこの曲がかかると その彼女のことを思い出した。 顔はよく覚えていたから 残念ながら売れることは なかったのかも知れない。 だって彼女は見た目の派手さと違い タレント活動をするのには 余りに優しい女性だったからだ。 僕の様な只のサラリーマンと梯子し 時々は奢ってくれもした そして驚かすようにkissをしたり。 彼女も僕を大人にした女性の一人だ。 そういえば・・ 電話に出た時、時々泣いていた 「もう何年も経つけどこの曲が好きなんだ〜」 何か思い出がダブっていたようだ。 やがて僕は恋人との破局を迎え それでいて忙しない日々に襲われ イノセントワールドな毎日に 彼女の記憶は掻き消されていた。 ある日久しぶりにエリーを聞いた。 彼女の笑顔が急に浮かんだ。でも・・ もう名前は思い出せなかった。 その日から彼女は僕の中で 「エリー」という名前になった。 勿論、少し「いとしの」が付いている。 |
記:2002年3月26日(火) |